KO-SUKE

6月13日〜15日の間に行われるADDLに関西からの出場を決めたA.I.DのメンバーKO-SUKEにJAPAN OPENに対する思いを話してもらった。JAPAN OPENの認知度がまだまだである関西のシーンを、彼なら変えられるのではないか、と思わせてもらいました。


 

I (IKEPON) お願いします。こうすけ=スピードというイメージがあるんだけど、スピードにハマりはじめたきっかけは何かあるの?

 

K (KO-SUKE)  大学に入学して最初の新歓祭ステージでシルブは絶対スピードを30秒跳ぶんですけど、僕が1回生の時はraff-riotのシゲさんがノーミスで跳びきっていたのが衝撃的すぎたんですよ。僕がダッチをはじめたきっかけはそれなんですよね。でも1回生の時はデモでそんなにマックスを跳んでなくて・・・スピードにも興味はあったんですけど、アクロバットとかの方が興味を持ってて、スピードをデモでやろうという気持ちが特別強くなかったんです。でも、みっきーさんに当時のチーム (infinity) の相談をしたときに、「infinityにめっちゃスピード跳べるやつがいたら、チームがめちゃくちゃ強くなると思う」っていう一言が返ってきて、「自分がそのスピードキャラになろう」って、ひたすら練習していくうちにハマりましたね~。

 

I じゃあきっかけはシゲなんだ。てっきりaltのジュンさんかと思ってた!

 

K はじめて見たのはシゲさんです。そこからジュンさんだったりいろんな人に・・・。はじめの頃、休み時間にスピードのシャドー練をすることが多かったんですけど、そのときもフォームとか一番最初に教えてくれたのはシゲさんですね。

 

I 世界大会のADDL行きが決まった今の心境は?

 

K ほんまに嬉しいです。僕がダブルダッチを始めたきっかけはシゲさんのスピードを見たことなんですけど、実は「世界大会への憧れ」っていうもう一つのきっかけがあったんです。サークルの練習に参加して先輩と話したときに、日本代表として世界大会にいける、っていう話を聞いたんです。まあ実際3回生のデライトはA・I crewで勝つことができなくて、世界大会への夢が散ったな、と思っていたんです。でももう一回JAPAN OPENで挑戦してみようと思って出場を決めたので、本当に夢叶ったなっていう気持ちです。やっと世界大会に行けるんだっていう感じです。

 

I ADDLのチームはA・I crewのメンバーを含め、DUNK!の二人を加えたチーム構成になっていると思うんやけど、どういう経緯でそのメンバーが集まったの?

 

K 僕本当はA・I crewのメンバーで出たかったんですよ。でもA・Iのまこは体の問題で出場することが難しく、ルール上チームに女の子が二人いることが条件だったので、他チームから助けを求めないと出場できない状況だったんです。それで、新たにチームを組もうと思い、そのときにライバル視をしていたDUNK!のダイキなら、スピードも跳べるしアクロも出来るしっていう部分が一緒のチームになったらすごく心強いだろうなと思ってダイキを選びました。あとダイキを選んだ理由はもう一つあって、関西にももっとJAPAN OPENっていう大会を浸透させたいって思ったからなんです。今、追手門大学がスピードにすごく力を入れてるんです。今年もDandellionのユウトがCONTESTのスピード部門で優勝して、こんなにスピードを跳べる人が同じサークルにいるのに、追手門大学の中にはJAPAN OPENっていう大会をよく知らない子もまだいるみたいなんです。僕がダイキと同じチームになることで追手門大学で練習することも増えるだろうし、間近でJAPAN OPENっていうのがどんな大会なのかみせられるかなあと思って。そうすると追手門大学ももっとJAPAN OPENに出てくれるだろうし、「こんな大会があるんだ」って知ってもらえるきっかけにもなるのかなって。そういう経緯でダイキと、その当時ダイキと同チームDUNK!でスピードの縄をまわしていたチヒロを誘いました。で、あと僕がA・Iで同じチームだったサッちゃん。

 

I NDDLにはないADDLの魅力ってどんなところ?

 

K まず会場の空気が全然違うところです。フュージョンの場合、出場者がパフォーマンスを見せてお客さんがそれにリアクションして、どんどん会場を盛り上げていくっていう雰囲気なのに対して、JAPAN OPENは競技中に喋っちゃダメなんですよ。スピードのときはひたすら縄が床を叩く音しか聞こえなかったり。ダダダダダ・・・・みたいな。笑 で、それが終わったときに一気に歓声がくるみたいな感じで・・・ほんとにスポーツって感じです。100メートル走の「位置について・・・」のときのような緊張感がそのままある感じです。パフォーマンスだったらお客さんに見せて、お客さんと一緒に盛り上がって行くのに対して、スピードはリレーとかで一緒に走ってるやつを追い抜いて行くような感覚に似てますね。スピード跳ぶときも同時に2、3組跳ぶんですけど、すごく戦ってる感があります。隣のやつが引っかかったのをみて「おれはまだいけるぜ!」みたいな。笑 そういう、純粋にダブルダッチのスキルだけを勝負してる感じがすごい良いですね。ハマってます。JAPAN OPENに参加したことない人からすると、地味なイメージがあるかもしれないんですけど、出たことない人は一回出て体感してみてほしいなっていうくらい楽しいです。

 

I JAPAN OPENに出てから、パフォーマンスにも変化ってあった?

 

K ありますね。僕がまだJAPAN OPENをあまり重視していなかったときは、まず「今自分はフュージョンをやっている」という意識がなかったです。フュージョンって本来“音に合わせてパフォーマンスをする”っていうカテゴリーなんですけど、その意識が弱くて、ただ自分が出来るようになった技をやって「おれこんな技できるんだぜ」っていう感覚でやっていたんです。でもJAPAN OPENに出てから「あっフリースタイルじゃないんや、フュージョンなんや」って区別が出来るようになりました。JAPAN OPENだったら縄の中でこんなにすごいことできるんだぜっていうのを見せるんですけど、フュージョンやったら音と自分の動きがマッチしないと会場を湧かせられないんだっていうことに気付いたんです。音をダブルダッチで表現しようって意識が強くなりましたね。今の現役生を見てて「その音じゃなくてもいいのに」って思ったり、逆に「音にはあってるけどダブルダッチしなさすぎてそれはもはやダンスじゃない?」って思ったりがあって、すごくデモの見え方が変わってきましたね。それがJAPAN OPENに関西の現役生が出てほしい理由なんですよね。

 

I その他に後輩たちに伝えたいことってある?

 

K むちゃくちゃあります。一番伝えたいことは、とりあえず今日本にあるいろんなダブルダッチシーンに顔を出してほしいなってことです。今いろんなイベントや大会が増えてきて、youtubeにもいろんな動画がアップされるようになって・・・という中で僕はその現場にできるだけいたいなって思うんです。動画で見るんじゃなくて、なるべく現場にいたいなって思うんです。僕いままでいろんなイベントをなるべく欠かさず出てきたんですけど、やっぱり肌で感じて勉強になることって多いと思うんです。その一つとしてJAPAN OPENって世界大会にもつながるし、歴史もあって大きな大会なのに、こんなに出ない人が多いのはみんな損してるなって思うんです。すごく地味なイメージもあるし、練習もキツいんで、出にくいイメージもあるかもしれないんですけど、一回本当に出てほしくて・・・。出たら絶対見え方が変わるし、JAPAN OPENはアツくて楽しい大会なんだって伝えたいです。

 ADDLって関西から行ったチームは0ではないみたいなんですけど、予選を突破して行くチームは僕たちがはじめてみたいなんです。それで世界大会に関する情報が全然なくて僕たち苦戦してる状態でもあるんですよね。たとえばJAPAN OPENでも共通してるんですけど、縄は全部大会側が用意するんですよ。自分たちが練習してきた縄は使えなくて、会場にセットされている縄を使うんですよ。それで、これは僕たちも2ヶ月前に知ったんですけど、ADDLの場合はasicsのロープではないらしく、もう少し太くて思い縄みたいなんです。しかもその縄は日本に売ってないと。笑 そんな感じで僕の知らないことがボロボロ出てきて・・・。ADDLの大会に行ったらその縄が売ってるみたいなので、向こうに行ったらその縄をいっぱい買って、関西に持ってこようと思ってます。

 

I アーザスもそうなんだけど、CANADA、Vi-tourの代から関西がNDDLに毎年行ってるやん。それみたいにどこか1チームがADDLに行くと「あっ関西からもいけるんだ」って思えるから、今回のADDL行きは関西のシーンにとってもすごく大きいことかもね。

 

K それは僕もほんとに伝えたいことで、僕の勝手なイメージもあるかもしれないんですけど、僕が入学したときってよく「日体大とか関東の大学にアクロで勝負しようと思ったら厳しいよ」って言われてたんです。やっぱり体育大学だから身体能力は高いし、表現力とかで勝負した方がいいよって。だからJAPAN OPENみたいにアクロとスピードだけの勝負なんかまず勝てないよって。だから関西の中に「まあ負けてもしょうがないよね」っていう雰囲気があったと思うんですけど、僕はそれがすごく違うなって思ってたんですよ。絶対関西でも勝てるんだっていうのを証明したかったんです。ここ最近でパフォーマンスは関西にも波がきてるし、ここでJAPAN OPENも勝てるようになったら関西のレベルがすごく高まるんじゃないかなって思います。

 

I じゃあ最後にADDLに向けて意気込みをお願いします。

 

K はじめてなんでとりあえず楽しむことが第一優先です!もちろん勝ちたいのもあるんですけど、自分がずーっと夢に見てきた世界大会なんで、とりあえず隅々まで楽しむってことに重点を置いてやること。関西から来たぞっていうのを向こう側に言いたいですね!そうやって経験したことを、帰ってきてはやくみんなに伝えたいです。せっかくやってきたんで、「こいつのおかげで関西がプラスの方向に変わったな」って言われるような人になりたいです。

 

I 期待してます!でもそれだったらADDL終わってからインタビューした方がよかったかな?笑

 

K 終わった後もう一回お願いします!笑

 


 

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