TARO

8月に行われたDOUBLE DUTCH DELIGHT KIDS

-NOVICE部門-にて、ダブルダッチチーム「ブランチ」を見事優勝へと導いたTARO。キッズ指導やダブルダッチを軸にした活動の裏側をインタビュー。


「まだ追いついてないダッチスキルを誤魔化せたことでしょうか?」


 デライトキッズ優勝した感想と優勝できた要因はなんでしょうか?

嬉しいです。要因はまだ追いついていないダッチスキルを誤魔化せたことでしょうか?笑


今回のブランチのデモはどうやって作っていったんでしょうか?

ブランチの強みであるダンスを最大限に生かせるようにベーシックを中心に構成を組んでいきました。ただダッチで魅せる部分もないと「ダッチしてないじゃん」で一掃されそうだったので縄技入れました。笑 あとはキッズだからといって子どもらし過ぎずかつ背伸びし過ぎてないラインのパフォーマンスを心掛けました。

 

レッスンではどんなことをしてますか?

スピード練です。毎回レッスンの7~8割はシャドー、遠心力、スピードです。笑 残り時間はその日の気分と子ども達のやりたそうなことやってます。ダッチの基礎とされてるものはシャーとスライドくらいしかちゃんと教えたことない気がします。A面はこないだ初めてちゃんと教えたしスローに関してはまだ教えてないです。笑 今の時期に必要性が感じれないのもありますが、短いレッスン時間なので中途半端に教えるぐらいなら反復して一番の基礎を身に付けさせた方が逆に魅せれることが増えると思ったのでひたすら同じことやってます。


指導の際に大切にしていることは?

ダッチに興味を持ってもらうこと。意識が高い子にはモチベーションを維持させることですかね。興味を持ってもらうことと上手くさせることの内容は真逆ってくらい教え方が違うし、人によって上手くなりたい目標も違うのでその子の温度に合わせることにも気を使ってます。それと大事なことはこれでもかってくらい繰り返し言ってます。子ども達には「また同じこと言ってるわ。」なんて思われてそうですが。笑

 あと大きくなって僕のもとから離れた後もダッチを続けたいって子が出てきた時プレイヤーとしてやっていける技術はもちろん、特に考え方を伝えれていればと思ってます。ダンスと近い距離にいるからもあるのですが技術ある期待されたキッズがキッズを卒業しコーチのもとを離れたら埋もれてしまうダンサーの事例をよく耳にします。ダッチは人口が少ないしやり始める層も大学生がほとんどなのでさほどでもないですが近いところはあるかなと。卒業してキッズの時が一番面白かったな輝いてたなって思ってほしくないので、どうやってダッチは作っていくのか、練習していくのか、何でこれがかっこいいのかなど自主的に考えれる様な指導をしています。


タローさんといえば、イベントのオーガナイズ等もされていると思うのですが、いま力を入れている活動は?

今力入れてるのはやっぱりキッズの指導ですかね。力入れてるというよりは教えるの面白いし子ども達と話すのが生活の一部になってしまった感じです。こっち来てからの一年はYoutubeでキッズの動画を貪るように見てました。笑 イベントはDDSとアクセルパーティーを主催していますがもう少し余裕が持てればいろいろやってみたいですね。あとはダッチの映像も撮ってもっと日本のダッチを海外に発信できたらいいなと思ってます。それにはもっと勉強しないとですね。笑
DDS
はもーすぐ開催なので皆さんのご参加是非お待ちしてます!

 

どのような経緯でここまできたか(大学卒業後)

晴れて社会人!かと思いきや半年で辞めてフリーター。そしてカナダにダッチしに逃亡しました。笑 戻ってきてからはスーパー銭湯でバイトしながらダッチと関わってました。そして去年の5月に池ポンとBran.co lab(ブランコラボ)でダッチのレッスンを持たせてもらって毎週大阪から1時間半以上かけて通ってました。7月に転機が訪れてオーナーのプリンスさんに「スタジオの管理してくれない?」って誘いから即バイト辞めて奈良に来ました。映像にも興味あって学びたいとは思ってたので願ったりな環境を提供してもらったって感じです。そっから今のブランチメンバーが通ってるダッチクラスを持てたり自分自身もよりダッチや映像出来たりと趣味(やりたいこと)がいきなり全部仕事になったって感じです。笑 デメリットで言えば大阪や京都まで遠くなったので付き合い悪くなったのとFat man Crewやダッチのイベントがない限りバイク10分圏内での狭い世界で生きてることでしょうか。笑


これからの活動予定は?

基本的にはキッズや映像、FatmanCrewの活動など今育ててる芽が咲くように動けていければと思います。あとダッチ人口の少ない奈良でダッチの普及活動をしたいなと。せっかくダッチのない奈良なので他の地方とは違う発展が出来たらと思ってます。キッズからもですが今個人的にアツいのがママさんダッチ。笑 キッズのママさんに地道に募集かけた成果もあって今現在5人程いてマイペースに活動してます。笑いの意味でも面白過ぎて今後も続けてもらえたら嬉しいです。


Fat man Crewの今後は?
どうなっていくんですかね?笑 決まってないというよりはそうなりたいと思ってた形がが変わってきたのだと思います。昔はFat man Crewの活動を活発にして依頼やダッチの仕事を沢山取ってFat man Crewで起業や!ってな感じの目標でしたが現実見えてきたっていうか。笑 と言うかそうするにはFat man Crewには時期早々だなって。最近そのことについてチームでちゃんと話し合ってないので皆がどう思ってるかわかりませんが、僕はこれを良いことだと捉えています。社会人チームの強みも弱みも社会人ということだと思うんです。時間の制限や仕事の忙しさで貴重な休みを使ってダッチを続けていくのは大変なことなんだと思います。でも強みって金銭面や社会の規律、営業力、他の分野のコミュニティーの広がりや有限な時間だからこその効率化など圧倒的に多い気がします(僕自身はあんまり吸収できてませんが、、。笑)。だから平日は皆違うフィールドで頑張って、そこで得たものをチームにフィードバック出来れば良いと思うんです。特にFat man Crewってチームだけど全く束縛なくて個々が好きに活動してるって感じです。でもそれも結局チームにプラスとして還元されていくというか。今は仕事頑張ってダッチに費やせる余裕を増やしていければ良いんじゃないかな?たぶんFat man Crewはそういう時期なんだと思います。個人が好きに動いて気づけばFat man Crewも大きくなっていく。僕らに見本はありませんが、こーゆう付き合い方もアリかなって思います。最初に決めたことを頑なに守ることは意志を曲げないって意味でいいことかもしれませんが、時間が経つにつれて新しい知識や価値観を吸収するので考え方が変わって当たり前だと思うしそうやって自分の考えを更新していけばいいと僕は思います。だから数年後考え方変わってやっぱりプロでしょ!って言ってるかもしれません。笑 

 

ダッチ続けたい学生や社会人に伝えたいことは?

 

とりあえず準備ばっかりしてないでやってみてほしいです。迷ってるくらいならやった方がいいと思うし、先に不安要素を考え過ぎか動き出しが遅くて動くタイミングすら逃しちゃってる人が多い気がします。そして何より継続。途中ダルくなったら休んでもいいので継続。Fat man Crewも結成2年くらいはほとんど何もしてなかったです。これ言うと説得力ないし僕が偉そうに言うことではありませんが今にも自然消滅しそうなFat man Crewを維持し続けてくれたのはリーダーのキャプがチームへの連絡を継続してくれてたおかげです。笑 継続していればチャンスが訪れてきます。メンバーがいないやモチベーションに温度差があるや時間ないなど活動する上であまりにも予想できることなので出来ない理由よりもその壁にぶち当たった時どうするかを考えれて動けば大体なんとかなるし、後々たいした壁じゃなかったなと思えるんじゃないかな?ダッチと一緒で出来る(活動が軌道に乗る)までがあまり面白くないだけでマイペースでも続けていればきっと面白い時期がやってきます。チームでも個人でもどんどん社会人ダッチャーの人口が増えて欲しいと思います。

 

最後にNYへの意気込みをお願いします。

僕自身はいつも通りにですかね。頑張るのはブランチのメンバーなので子ども達が最後まで満足出来るパフォーマンスができる様にステージに上がるまでのサポートを出来ればと思います。ここまでの過程でブランチの頑張りはもちろんですが親御様をはじめ多くの方のサポートや応援があるのでそのありがたみを感じてステージに立ってもらいたいなと。ただ子ども以上に僕の方がそのことを感じちゃって子どもとの温度差にたまにイラッときます。笑 まぁわかる方が難しいことだと思うので大きくなった時にわかってくれることを願います。

 あと今回自身が世界大会に出るわけじゃなくて子ども達や親御様もNYまで来る方がいるので多額の旅費やスタジオの関係もあって、今までにしたことない営業?報告?の活動をしてみました。まず最初に思いついたメディアへの営業。新聞社には子ども達が世界大会行きますって言ったら面白いように取材してくれるし、その新聞記事をみて何社からもテレビ取材の話がきたりと意外とこんなもんなんやって感じでした。笑 あとはメンバーが住んでる各市町村への報告。市によっては助成金が貰えるとこもあっていくらかお金をもらえたりもします。話が進めば市長のもとへ表敬訪問もあったりと初めての経験だらけでわからないことだらけでしたが、子ども達と一緒にいい経験をさせてもらえたなって感じです。やれたことはほんの一部なのかもしれませんが、この過程で感じたのは知ってるだけでこんなにも得することがあるし、何よりも応援してくれる人が増えたりダッチの普及にも少なからず貢献できるんだなと。毎年こんだけ世界王者が誕生してるのでもっと自ら知ってもらう活動が増えたら知名度はもっともっと高くなると思うので是非学生達やダッチで面白い活動をしている人にはやって頂きたいと思います。